http://sidecore.net/

In 2012“SIDECORE”project was founded and initiated by young artist volunteers. The central concept behind the project is “the extension of the self within the city”, in which the “city” signifies both urban space and public virtual space on the internet.

  

路・線・図 / RO・SEN・ZU

14:39:57

今回SIDE COREでは、いくつかの場所を旅するドローイングの展覧会、「路・線・図」を開催します。ドローイングとは線引くことを意味しますが、それは表現の最も根源的な行為であるし、同時に表現の最先端を開拓する実験的な試みでもあります。今回の展示では、ストリートカルチャーというジャンクション(交通結節地点)を経由しながら、それぞれの方向にドローイング(線の表現)を展開させているアーティスト達の多様な試みをみせるのを目的としています。そもそもストリートカルチャー、特にgraffitiの発展が「文字表現」に基礎をなすことから、このようなカルチャーを経由するアーティストの多くは、文字やその基礎となる線の表現性の追求を土台としながら、様々な方向性に表現を発展させてきました。「文字表現から始まる線への追求」は、習字やカリグラフィーの文化において追求されてきた、基本的なアートフォームの一つです。しかしgraffitiの文字や線の表現は、「空間の移動という体験」によって、さらに独自の発展を遂げてきました。それは、路上等、特殊な状況を前提として表現が発展していったこと、そして道具や表現スタイルもそのような特殊な状況下に合わせ独自に開拓されていったこと。そして国境をまたぐ文化的の移動と交流によって表現を発展させてきたこと。それらは「環境の移動」「技術と方法論の移動」「文化の移動」様々な次元の移動の痕跡であり、今回の展覧会の目的は、そのようなドローイング表現の発展を記す「路線図」を描くことなのです。私達はこの地図をもって、さらに遠くの地をめざします。


展覧会概要

参加アーティスト: BIEN / HITOTZUKI / 鈴木ヒラク / 小畑多丘 / TENGAone /松下徹 / yang02
タイトル:SIDE CORE -路・線・図-
第1期:2017年3月20日(月) – 3月21日(火)
会場:SPACE DENEGA / 住所: 青森県弘前市上瓦ヶ町11-2
時間:3月20日 17:00-21:00/3月21日 9:00 – 13:00

第2期: 2017年3月25日(土) – 4月16日(日)
会場:GALLERY TRAX / 住所: 山梨県北杜市高根町五町田1245 ※バスタ新宿より、新宿~諏訪・岡谷・茅野線で2時間30分程度、徒歩10分
時間:11:00~17:00 金、土、日、月曜日オープン

イベント

2017年3月20日(月)20:00~「OPEN TABLE MEETING」@SPACE DENEGA
2017年3月25日(土)15:00~(予約制)「GALLERY TRAX オープニングパーティー」
主催: SIDE CORE(代表 高須咲恵) 
問い合わせ: sidecore.tokyo@gmail.com

 

SIDE CORE –RO・SEN・ZU– Exhibiton – OUTLINE

BIEN / HITOTZUKI / HIRAKU SUZUKI / TAKU OBATA / TENGA ONE / TOHRU MATSUSHITA / YANG02
Term1: 2017/3/20 (mon) – 2017/3/21 (tue)
SPACE DENEGA: 11-2 Kamigawaramachi, Hirosaki-shi. Aomori
3/20/ 17:00 – 21:00 / 3/21 9:00 – 13:00
Term 2 : 2017/3/25 (sat) – 2017/4/16 (sun)
GALLERY TRAX: 1245 Gochoda, Takanemachi, Hokuto-shi. Yamanashi
Open only Friday – Monday (11:00 – 17:00)

 

Event 

2017/3/20(mon) 20:00 – “OPEN TABLE MEETING”     
2017/3/25(fri) 15:00 – “Gallery TRAX opening party”
Curated by SIDE CORE (Sakie Takasu)
Contact: sidecore.tokyo@gmail.com



参加アーティスト


BIEN

BIENのドローイングは一見不規則な線の連続に見えますが、実際は何かのかたちの輪郭線をなぞって描かれています。それはBIENが収集しているフィギュアのアウトラインであり、無造作に脱ぎ捨てられた靴下の輪郭線であり、使うごとに変化してしまう消しゴムのかたちであり、BIENの生活の破片に散らばる何かの輪郭線なのです。そのようなBIENの脱力的で緩やかなドローイングへの取り組みは、普段気に留めることのないような些細な「物や事」が持つ境界線を浮き上がらせ、日常生活に向ける私達の「見る」という行為を再考させます。


HITOTZUKI
ALTERRAIN, 2016

HITOTZUKIは日本のストリートカルチャーを代表するアーティスト、KAMIとSASUによる壁画ユニットです。KAMIの緩やかに流れる曲線、そしてSASUのシンメトリーに展開するパターンによって描かれる壁画は、世界中の様々な地域で見ることができます。HITOTZUKIの壁画の大きな特徴は「場所との調和」にあり、風景との繋がりや環境の色を緻密に計算して描いていきます。だからこそHITOTZUKIの絵は壁画制作から図案が生まれ、その「写し」というかたちでキャンバスに展開されています。今回のキャンバス作品もきっと何処か雄大な自然のある風景、または都市の喧噪の中の延長線上から抜き出されてきた、いわば「壁画の風景画」なのです。


鈴木ヒラク / Hiraku Suzuki
bacteria sign #44, 2016

今回の展覧会はドローイングをテーマにした展覧会ですが、鈴木ヒラクはまさにドローイングそのものをテーマに表現しているアーティストです。ドローイングとは線を引き描くことですが、文字を描くこともドローイングであるし、建築やデザインの図面制作、拡大して解釈するならば道や都市や国境を造っていくことさえもドローイングと考えられます。点の連続が線になり、線が図となり、図が世界を作っていく。鈴木ヒラクの表現はドローイングという根源的な行為を通し、この世界の成り立ちの様々な起源に迫っていこうとする雄大なテーマをもっています。今回展示している「bacteria sign」というシリーズでは、パネルに絵の具で混ぜた土と枯れ葉を塗り込み、枯れ葉の葉脈の表面を削りだしてドローイングを描いています。まるで地面に落ちた葉っぱが偶然に図柄を作り出したかのようにみえるこの作品は、人間の意識を超え、自然環境が地質学的/生物学的に生み出すパターン(図柄)とその美しさの謎に迫っていこうとする試みなのです。


小畑多丘 / Taku Obata
drawing, 2017

小畑はB-BOY(ブレイクダンサー)であり、彫刻家です。小畑の代表的な作品は、木彫で制作されたB-BOYの彫刻作品です。水平垂直へ広がる、ポリゴンのような面の連続で構成される木彫作品は、ブレイクダンスがいかに独自な方法とアイデアをもって身体を駆使しているかということを彫刻で表現しています。踊る身体の型だけではなくブレイクダンスのファッションに着目し、洋服やアクセサリー(サングラスや帽子)をさらに強調して表現することで、実際にダンスを踊ること以上に「踊る身体」を強調した表現を作り出します。このような小畑の表現は、B-BOYを彫刻化することをふまえながら、人間の身体の構造、そして身体の構造を外側から作り出す重力という力について感覚を深める試みなのです。今回は実際の木彫作品ではなくデッサン(スケッチ)を展示します。これらのデッサンはドローイング作品として意味を持つだけではなく、実際の木彫の設計図としても機能しているのです。


TENGA one
fabrication, 2017

TENGA oneは日本のgraffitiを代表するのアーティストの1人です。彼の代表的な作風は、グロテスクでありながら、しかし何処か可愛らしさがある様々な怪物(モンスター)の肖像です。スプレーという特殊な技術を極限まで活かした写実的な表現は、壁に描かれるこれらのモンスターに「あたかもそこにいるような」存在感と躍動感をもたらします。今回TENGA oneは新しい表現に挑んでいます。一見段ボール板に落書きしたようなこの作品は、実は木材を彫刻して制作されているのです。写実的に絵を描くこと、そして騙されるぐらいリアルな偽物をつくること、TENGA oneの表現は私達の「見る」という行為を挑発し、「なぜそれを作っているのか?」という表現の裏側にある動機を鑑賞者に問うのです。


松下徹 / Tohru Matsushita
STARTRAIL, 2017

松下の制作は、半自動的に絵を制作するシステムを作り出し、これを操作していくことです。システムといっても、機械を使った複雑な仕掛けではなく、フーコーの振子や、塗料の化学反応、または高電圧など、日常的な化学実験や工業生産技術の応用です。そのような制作において、作家はシステムが絵を描くのを観測・記録していく立場となり、時に「観る側の視点」に回るのです。このように制作された絵画は、まるで顕微鏡で覗いた世界の拡大のようであり、また高い位置から観測したような地形のようでもあります。それらは伝統的な陶芸を絵画に映し出したように感じさせますが、同時にある種の魔法の痕跡のように見えてきます。そのような松下の活動は、絵を描くという行為を新しく捉え直し、新たな抽象絵画の境地を開こうとしているのです。


yang02
面になる前の線 / Strokes before becoming shape, 2017

yang02はロボットやシステムに自律的に絵を描かせるというプロジェクトを展開しているアーティストです。展示している作品はプログラマーの坂本啓法(日本ユニシス)が機械学習プログラミングを担当し、ディスプレイ上でシステムが絶え間なくドローイングを描いていきます。描かれる線は人工知能を実現するアプローチの一つである機械学習システムが、ストリートで見られるスローアップ(グラフィティ)のリズミカルな線の特徴を学習し、独自にその断片のような線を画面に構成していきます。現代社会においてロボットが作られる目的は主に社会奉仕の観点に集中していますが、アートというこれらの規範から外れたロボットはまだまだ未発展の分野です。yang02の表現は、ロボット/システムが絵を描くという驚きとともに、私達に「なぜ人は絵を描くのか?」という根本的な問いを投げかけてきます。