http://sidecore.net/

In 2012“SIDECORE”project was founded and initiated by young artist volunteers. The central concept behind the project is “the extension of the self within the city”, in which the “city” signifies both urban space and public virtual space on the internet.

  

百五〇年の孤独

カオス*ラウンジ新芸術祭 -百五〇年の孤独- 参加
会期: 2017年12月28日(木)~2018年1月28日(日) ※1月からは金土日祝のみ
時間: 10:00 – 18:00
アーティスト: BIEN、EVERYDAY HOLIDAY SQUAD、石毛健太、藤元明
会場: JR常磐線・泉駅北口より徒歩2分 ※複数会場があります。
サイト http://chaosxlounge.com/zz-izumi/jigoku.html



BIEN [WOOZY WIZARD]

このいびつな線のドローイング(描画)は、何かの形をなぞって描かれています。BIEN(ビエン)の作品は、常に想像上で作り出したありとあらゆる「かたち」をトレースして描くことから始まり、それは文字や記号であったり、時には漫画やアニメのキャラクターです。そのようなトレースは単純な模倣としてではなく、BIENの特徴ある線によって対象を描きなおすことで、元の「かたち」とそれが指し示す意味を解体し、いびつな線の集合体に変化させます。それは線の集合体が「かたち」を生成するギリギリ一歩手前の状態に絵を留めることで、絵の中に何かが在る気配や予感だけを抜き出して描いているのです。今回BIENはこの泉の町で展示すること、この町の地図や偶然出会った幾つかの物事をトレースすることによって、泉町の持つ気配や空気をドローイングによって抜き出します。それはきっと駅前に広がる風景から得る印象とはまた異なった、泉の町を旅する一つの地図となることでしょう。


EVERYDAY HOLIDAY SQUAD [巡礼 ROAD SIDE]

この作品は、EVERYDAY HOLIDAY SQUAD(以下よりEHS)が東京都内と福島県内にあるライブカメラ(ネット上に公開されている動画)に、カラーフィルターをかけて、一時的にそこに映る風景に色眼鏡をさせるという作品です。防犯の目的や、気象や河川の観察を目的としたライブカメラの映像に、一瞬だけ映画のように「演出された印象空間」を引き起こし、風景に感情を乗せる実践です。EHSは複数人のアーティストによって構成されるチームであり、兼ねてより都市空間の隙間に介入していく作品を発表しています。過去には東京の地下暗渠を探索し、巨大な壁画を描いていくシリーズ「UNKNOWN」や、町の放置自転車の回収のシステムを利用して、自然発生的なパブリックアートを制作する「Invisible Monument」があります。今回EHSは、福島県が東京都に並ぶ数のライブカメラがあることに着目し、東京から福島までのライブカメラのある地点で撮影を行いました。それは目的地となる泉に一直線に移動するのではなく、風景や道祖神を訪ねていく巡礼のような行為であり、東京と泉の間を距離を探る試みです。


藤元明 [2021]

「2021」数字はただの数字の並びです。2020年開催される東京オリンピック、その影響力は東京を中心に非常に強く発信され、まるで日本社会が生まれ変わるような期待感を促しています。藤元は、このオリンピックに込められる、日本の復興や扇動される高揚感と幻想に対し、その後に必ず訪れる現実への目覚めの瞬間を、巨大なシンボル「2021」として様々な場所に投影してきました。それは私達個人や各地域、地方そして日本にとって「自分自身の未来」を公共空間の中に交差させる試みです。他人が作る未来を眺めるのではなく、自分達で見つけ、行動していこうというメッセージが込められています。


石毛健太 [sweet home]

これらの写真作品は、渋谷・原宿の様々な店舗のショーウインドーを、一足の靴が旅をしてきた記録です。すべての写真においてその靴はショーウインドーの中ではなく外を浮遊しており、ウインドーショッピングをしている人々のように、中にある美しい景色を横目にしながら通り過ぎていきます。石毛は普段より「脱力した笑い」のあるテーマを取り扱うアーティストで、モーター機械式の玩具を改造し、自動に絵を描く装置を無理矢理作り出す「カーゴ・カルト」や、ダジャレの言葉を実際の状況に落とし変えた彫刻作品シリーズなどを発表しています。今回の作品は、東京でアーティスト活動をする自らが、泉という場所に赴いて作品を発表するということ、その条件を逆手に取りあげ、ショーウインドーの中にある靴を東京に旅立たせ、泉を歩く自らを重ねあわせています。それは靴という一つのもの通して都市と地方という関係性について、そしてファッションやアートという文化の地域性について、または旅行や移住ということに関して、様々な事柄に視野が交差します。そのような意味において、一見ユーモラスな作品ではありますが、新しい町に出会う導入としてふさわしい作品ではないでしょうか。